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それはTWを渡り歩く絵を通した記録…自由を愛するモノの住処なのかもしれない。
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もふもふをあなたに。

…今宵の空はきっと晴れてる。
……月明かり、なんてここまで届いたりしないけれど。

ふんわりとした暗がり。
猫たちの寝息。
この…ぼんやりとした明かりの中で一体何の本を読めるというのだろう。

僕の家には一体何匹の猫が泊まってるんだ…?
自由気ままでっていう方針でいるけどさ。
書斎とか、所構わず忍び込んで寝てるっていうのは如何なものだろう。

今僕は猫たちを起こさないように細心の注意を払い…
相棒の住処と呼ぶべき書斎に来ている。
…今、此処に相棒は居ない。

相棒の為の部屋だった、この場所は
彼が自分の武器と、あのメルヘンな帽子と、本しか望まなかった為に
彼の所有物は沢山の本棚と、本棚からあふれ出した本や書類で溢れている。
…これを書斎といわず、なんというのだろうか。


足元に散乱した本や紙、本の上で器用に眠る猫。
…相棒はいつも、この状況下で黙々と本を読んでいるのだという。
今まで夜目が利く方だと思っていたけれど…
暗闇の中で本のタイトルを読み取る技術は、僕にはないらしい。

…読みたい本が特にあるわけでもない。
ましてや、どの本が僕の頭で理解できる簡単な本なのかも分からない。
時間を潰す為、絵の勉強のために忍び込んでいるのだから
…文章なんて、理解しなくても良かったんだけどね。
考えるのも面倒になり…
最終的には一番近くに落ちていた分厚い本を手にとり、ぱらりぱらりと読み進めた。



………
……


…どれくらい経ったのだろう。
気が付くと、僕の足元に布団が掛けられていた。
振り向かなくても良く分かった。
背中合わせで黙々と読み耽っている相棒の仕業だ。
僕がどのくらい寝ていたのかを聞く前に…
「…悪いな、この部屋に壁はないもので俺の背中を代用するしか方法がなかった」
という言葉で遮られてしまったので
僕を見つけた時の状況を、聞き出すことは出来なかったけれど。

しばらく無言で読書を続けてみたものの、
挿絵しか見ていない僕には、長い時間のように思えた。
絵を描くことに熱中していたら、他の事を一切考えないで作業できるのに。
「…本、好きか?」
突然会話を始めて僕の不意を付く相棒に「…嫌いじゃない」と返した。


昔から、気になって仕方がない事がひとつだけある。
勿論、あの帽子だ。
何故か室内にいても、あの齧られ帽子を被る彼である。
…流石に寝る前には脱いでいるようなので、頭に特殊な秘密はないようだが。
あの帽子は民族的なものだ、と彼は言う…
だが、彼の生まれた地域を問うと黙秘を決め込むのだから信用できない。


今回は…勉強目的で忍び込んだが。
…次回は是非とも、帽子の秘密を探りたいところ。
………でも、今は眠いから。
…………このまま朝まで背中を借りてても、いいよね。

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不良のような狐のスケッチブック
風の様に戯れる狼の大学ノート

蒼紫色二又尾の僕の、メモ帳
白い二又尾の黒いメモ帳

騒がしい鶏の学習帳
何処か獣臭い付箋の束

この場にあるのは手書きを綴る物
ぼくは、『君』
『君』は、ぼく。
妄言・妄想、それも全部
僕の『君』の『私』と『俺』
そして『俺様』が描く想いでしょう

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『無限のファンタジア』
『シルバーレイン』
『エンドブレイカー!』
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『ケルベロスブレイド』『第六猟兵』用のイラストとして、キャラクター達の中の人が作成を依頼したものです。
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