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それはTWを渡り歩く絵を通した記録…自由を愛するモノの住処なのかもしれない。
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深夜の変なテンション

―12月24日
あの日のアレは…

ひょっとするとにーちゃんに怒られてしまうかも知れないね
面白いくらいのリア充が、溢れてたのは忘れたいけれど
……まぁ、あれくらいなら許して欲しいモンだね?(くすくす


「闇の城まで送るの?…え、僕が?」


その日始めて交わした言葉はそんな感じだった気がする
クロノス大祭の日中に見る事がなかった…
見慣れた小柄な金髪の少女。
彼女が僕に声をかけてきたのは夕方。
金の砂がゆらりと舞い、雪に混ざって降り注ぎ
夕焼け色の綺麗な空を更に美しく染め上げていた時刻の事だっただろう。


『勿論だっ!』


色んな場所を彷徨い歩いて
一定の場所に長時間滞在していなかった僕を
彼女は掌と素足を凍えさせて探していたらしい。
デモンウイングの有効活用と、言っても良いのだろうか。
その背に生やしたそれは間違いなく内なる存在の翼。
彼女の中に居る存在は、どうやらとても友好的に力を貸しているらしい。
そうとしか……思えない。


「全く…特別な日だって忘れて今の今まで寝てたんでしょー?
それなら、僕が訪ねて行くまでぬくぬく待ってれば良かったのにー」


今日の僕はほんの少しのお洒落をこの日だけ、身に付けていた。
去年、エルフヘイムで一目惚れしたモノクロマフラーを首に巻いて。
夏用にと、日焼け対策に着ていた半袖の上着を軽く羽織って。
どうやって探し出したのか、それはイマイチ理解出来ないけれど
僕が大事にしている、あのチョーカーの鈴の音を聞き分けて
見つけだしたのかもしれない。

『な、なんでそれを…さては見てたなっ!流石、それこそソウジたんだ!』

普段着と何一つ変わらない彼女の寒そうな姿にそっと
モノクロマフラーを差し出して、有無を言わさずくるりと巻いてしまう。


「見てないって。見てたらそんな寒そうな格好で外出させたくはないね。
ところでそのマフラー、今まで暖めておいた訳だけど、どう?
少しは寒さが凌げそう?」

何故裸足なのか、は聞いたところで答えが返ってくる事はないだろう。
どうせ、また素で履き忘れているだけだ。
目の前で軽くしゃがんで背を向ければ
歓喜のオーラを身に纏っていつかのように背中に飛び乗って。
歓喜した気分の延長のように足をバタバタと暴れさせる。

『……え、あ、おぉう?ぬっくぬくだ!
しかし、ソウジたんの方が寒そうに見えるんだが
きっと気のせいじゃないんだろう?』


彼女の言葉を聴きながら
闇の城までの道のりを雪を踏みしめて歩いていく。
彼女が僕を見つけた場所は闇の城からだいぶ離れた地域。
おぶって帰るにしても、少し時間がかかる事だろう。

「別にー…ほら、馬鹿は風邪引かないとかいうじゃないかぁ。
ま、冗談だけどね。僕が厚着を好きじゃないだけだよ。
背中にエヴァ(c05333)が居るからさっき1人でふらついてた時より
暖かいからね、へーきへーき。無問題だよぅ」


ぴた、と彼女のバタ足が止まる。
持久力という言葉が無縁な彼女の事だ
今の言葉を聞いて何かを感じたわけではなく
疲れたという理由で動きを止めただけだろう。


『そ、それなら良いのだよ?しかし、外はやっぱり寒い……
!…そうだあれだ、女子会やろう!
さぁソウジたん、私のうちに来るんだ!女子会の始まりだっ!』


突拍子もないことをいきなり大きな声で宣言する彼女
ちりぃんとポケットに仕舞いこんでいたチョーカーの
澄んだ音が、世界に響く…それくらい静寂な世界に居る気分になった。


「来るも何も、今から向かっている場所まで着かないと始まるものも
始められないでしょ。だいたい、僕の背中に乗っかってるのは誰だったかなー。
でも、良く考えてよ女子会でしょ?僕男なんだけど」

恋人、兄弟、どの顔も隣を歩く大事な人を想っているからか
微笑が見て取れた。幸せを噛み締めている人たちは
どこの都市、何処の階層にいても何も変わらない。

『関係ない。むしろ気にしない!』

白い息を吐きながら、思わず笑ってしまいそうになった。
しかし、笑うのを何とか堪えて、言葉を紡ぐ。

「じゃあ、僕のお手製お菓子も一緒に食べようかー。
甘すぎるだろうけど、ね。だって、お菓子を食べながらお喋りするイベント、なんでしょ。
その代わり、エヴァ運搬の駄賃としてお菓子奢ってくれないと
ぜーったいお菓子あげないからねーぇ?」


言葉から何かを汲み取ったのか、彼女はくすくすと笑い始めた。
よっぽど、僕の言い返した言葉が面白かったらしい。


『師匠に叱られないよう気をつけて味わうんだぞ?』

それだけ言うと、彼女は耐え切れなくなったのか
ひたすら爆笑する作業に移ってしまった。
異議を申し立てたところで、結論は無意味に霧散するだけだろう。
それならば、何も言うまいと、口を噤み背負ったまま真直ぐに駆け出す。
途中、見知った顔といくつかすれ違った。
声をかけたり立ち止まったりせず、ポツリと小声で…

「大事な人と幸せな夜を過ごせるなんて、羨ましいなぁ……」

などと呟いたが、背中の彼女にも見知った顔の彼、彼女らの耳にも
独り言は届かなかった事だろう








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『君と危険な深☆夜のポッキーゲーム』的風景

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「もー…なんて顔してるのさ、どんなに仲良しでも……
…これでも男なんだけどって、何度もいってるじゃないのー」

思いつきの悪戯が、予想以上に衝撃的だったようで。
実行してから彼女はやられたことを頭の中で反芻しているのか
僕の顔を真直ぐに見てくれない。

『や、やややややや、だ、だってソウジたん…!!』

呂律が何よりの証拠。
明らかな動揺が見て取れた。
彼女の事だから、にーちゃんにいう事はないだろうが…。

「何が、『だって』?」

面白がって、言葉の先を急かしてみる。
滅多に見られない、否、見たことのない行動をしてる彼女が
本当に面白かったから、半分以上、興味本位でからかっただけ
…そんな気が、するのだけど。


『い、いきなりは……卑怯だ…っ!
ででで、でもさっきのは気の迷いにしたとしても…!』

両手で顔を覆い隠して、こちらを伺い見るようにしてチラ見。
面白いが、そろそろ可愛いに書き換わりそうだ
…なんて馬鹿な言葉が脳裏を走る。

『せ……折角、部屋まで来て貰った訳だし…』

目を泳がせたまま彼女から、ぐっ、と小箱を手渡された。
少し、重いが簡素な箱だ。
飾り気も、なにもない。

「…僕に?なぁに、この場であけて良いのかーい?」

彼女は何度か頷いて、肯定の意を示してくれた。
先ほどよりもチラチラこちらの様子を窺っている気配がする。

箱を開けて、はじめに飛び込んできた色は、黄色。
そして、銀色。
その形状を見て、僕を彼女が探していた理由と様子を窺う理由を
なんとなーく、理解した。分かった、気がする。

「ふふ、なぁに…エヴァも、にーちゃんに感化されたのかーい?
僕が少しでも遠くにいると不安になるのかな。
皆揃いも揃って随分と過保護で心配性だね、全く…。
でも、エヴァのこれは、少し異なるかな」

1度言葉を切って、爪と羽根の首飾りの上から
そのアクセサリーを装着してみせる。
自分からは良く見えないが、銀色のタグが鈍く光って見えた。
タグの裏表の文字をなんとなく雰囲気で読み取ったが
これはどうにも、気恥ずかしいので、笑い事にするしかなさそうだ。

「ふふ、適切な言葉でいうなら…もう、なんかこれはペットのノリだよね?」
『……ま、まぁ、そんなところだよ』

にまにまと、ニヤニヤが、僕と彼女の間に数分にわたり出没したのは
いうまでも、ないだろう。
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この場にあるのは手書きを綴る物
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『君』は、ぼく。
妄言・妄想、それも全部
僕の『君』の『私』と『俺』
そして『俺様』が描く想いでしょう

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