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それはTWを渡り歩く絵を通した記録…自由を愛するモノの住処なのかもしれない。
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利き手の掌

そっと開いた掌には、見えない何かを握り締めていた…
―― …そう、 感じた

「なァ…お前の利き手ッて奴は結局左右どッちなんだ?」
ジェナスとバルカンとを引き連れて、漆黒の男は僕に問うた

「強いて言えば良く使うのは、右だよぅ。ただ……『字』を書くのは苦手だしー」
暑さで滴る汗を拭い、ついでにわしゃわしゃと髪をぐしゃぐしゃにする
「爪と太刀と2つと、時々魔獣化した腕とで薙ぎ払うから、正確には両利きかなぁ」
ふうん、と面白くなさそうに鼻を鳴らして首を少し傾げる動作
少し、返事の物足りなさを訴えるかの動きだった

「…つまり、どッちでも不自由はしねェのか。ある種、器用な奴だなァ!」
昨日新調した水着に合わせて
過去、一度として鞘から抜かれる事の無かった太刀『紅雲流水』と
爪『蒼を奏でる狼』を同じ手で持っていたから、不思議に思ったのだろう

「誰かの想いを右と左とで分散だなんて、僕には出来なかったの」
右と左とを繋ぐ中央に、武器飾りを沿えたのだって
…そういう、意思があったから
「器用といえば、器用だねぇ…でも唯一僕に対する想いを独り占め出来ることだから」






大切な人なら、確かに身近に沢山いる
少なからず好意を持ってる人だって、頼りたい人だっている
手の届く範囲なら、身を挺してでも護りたい人だって…


楽観してる時ほど、誰かの傍に居たくなるけれど
…幸せムードだって、適度がいいね
何があったって、その雰囲気だけは……触れられないから
その甘さに量らずとも中てられて、しまうから…自問自答が絶えないのかも知れない


でも僕の想いは、きっと劇的には変わらない、変わっていかない
想い押し殺す事をやめたときには、傍に居られなくなるのが分かるから
勢いで猛進する頭を、必死に宥めるのが最近の困りごと

『今』を変えたくないと望んでいるのは、多分僕の我侭と僅かな欲
戯れを含んだ言動の数々に、態度で示さない言葉を含ませてる方が多いかもしれない
あの、『黒鳥』さんと対峙してた時だって、そうだった…
だって、あのときのバトルトークは……    

「…おィ、顔色、良くねェぜ?無茶するもんじャねェよ。アイツがそういう目でこッち見てるぜ」
ついーっと顔を上げてライの方を見てみれば、ジェナスとバルカンと共に
同じ方向に視線を向けている
指差す方向に座っているのは、見なくても分かる
薄い存在感を稀に、禍々しい気配で食い殺す姉が居る事くらい


「ん……だ、大丈夫。脇腹にちょっとの痛みを感じただけだから。大人しく寝てれば治るって」
あまり体感することのない、気分ではあった
無茶防止の為に、こうして落ち着かない監視下に身をおいているわけだけど
「まー程々に、気楽に生きろよ…俺様みてェーによォ」


誰にとも、独り言にも聞こえる小さな声のお陰か
僕の中で蟠っていた気持ちが、ほんの少し、楽になった気がした…
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ソウジ・ブレィブス
性別:
男性
職業:
裁縫
趣味:
落書き
自己紹介:
不良のような狐のスケッチブック
風の様に戯れる狼の大学ノート

蒼紫色二又尾の僕の、メモ帳
白い二又尾の黒いメモ帳

騒がしい鶏の学習帳

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『君』は、ぼく。
妄言・妄想、それも全部
僕の『君』の『私』『俺たち』の想い

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