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それはTWを渡り歩く絵を通した記録…自由を愛するモノの住処なのかもしれない。
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迷人
その場所は、風の流れだけがやけにリアルで

……何もかもが暗闇の中に解けていた
耳を塞ぎ、目を瞑り
ただ ただ 自分の心拍数だけが聞こえてくる

どれくらい、それをしていたか分からない
おそるおそる目を開けてみると
身近で良く嗅ぐほのかなとある葉の匂いも、すっかり風に吹き飛ばされて
その場には、じめっとした雨の予兆ともいえる
湿った環境と僕とただ、それだけが残されていた

見える空色も、明るい橙から暗闇の色に転じてしまって
手元から、足元から、自分の居る空間がどのくらいの広さだったのかすら
分からなくなって
ぺた ぺた と、壁のある場所を手探りで探す

ごつんごつん、と数回頭をぶつけてしまったが…
当然、誰が見ているわけでもない
ぶつけるほど注意力が散漫になっていた自分に、静かに問いかける

(こんなに暗くなってから、帰ったことなんかなかったなぁ…。
誰かと一緒、もしくはいつも、あの賑やかな場所で悪戯して遊んでいたから、かな
……はは、僕は此処で何がしたかったんだろうね)


(勝手に拗ねて、勝手に飛び出して。
挙句の果てに、迷子って……ふふ、情けない)

夏のはずなのに、この路地裏は夜になるに連れて気温をどんどん下げていっていた
いつも乱れ気味の二又尾を、もふもふと弄る事で、現実逃避を少しだけしてみる
日中の恐るべき暑さと比べると、砂漠とやらと同じような減少だ

(寂しがって簡単に拗ねるんだから、僕もホント…お人よしだねぇ)

しかし不意に、壁しかないはずの背中に何かが触れていた
目を凝らしてよく見てみると、それはコヨーテ2体とバルカンとスピカ
バルカンの尻尾の火に照らされるスピカとコヨーテの存在自体が放つ淡い燐光は
暗くて狭いはずの路地裏に明るい色を呼び込んだ

(どうしてだろう、僕はこのスピリットも星霊も…誰のモノか判る気がする)
(僕は……あはは、いつから、探し物になってたのさ…)

バルカンとスピカの両目の目の下には▼という刺青が
1体のコヨーテの両耳には紅い一対のカフスが
もう、一体…所在の知らないコヨーテは、非情に毛並みが整えられている


「おーィ、お前、いつまでそんなところにいてェんだ?」
通路に入ってきたときと逆方向から、知った声が近づいてくる
コツ、コツ…と靴の音を響かせて
紅の目がこちらを見ていた

「……こんな遅い時間まで、かくれんぼする趣味は、ないぞ」
座っていた正面にあったハズの壁がモノの見事に切り崩される
ガラガラと瓦礫の音の中を、コヨーテの光に彩られながら
コヨーテに似たものを被っている蒼い瞳が見下ろしてくる

「……遊びは、終わり。私を留守番の身から引き剥がした分の事をして貰うわよ」
カラン、カランと甲高い音と共に刃物が路上に散乱してくる
もう、誰かというのを予想する事もない
誰か、なんて分かってる
けだるそうな眠たげな声が、緋色の瞳とは逆方向から聞こえてきた


『えぇと…僕は1人で隠れてたハズなんだけど。オニとやらは一体誰の指令を受けたのかなぁ』
(そう、僕は1人で勝手に逃げただけだ。誰にも断ってなんかない)

「私は…シキヤちゃんね」
「俺様達は…さァな、匿名希望ッてーところだな」

(所在不明のコヨーテは、やっぱり…)
(……そっか、思うだけなら自由だモノね
…気に留めてくれてありがとうって、やっぱり顔あわせて言わないと…)


(……でも、想うことだけなら――)
(…僕はきっと、いつまでも………大好きだよ)

(たとえ、どんなに……近づき難くても)
(きっと、きっと……換わらない)
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HN:
ソウジ・ブレィブス
性別:
男性
職業:
裁縫
趣味:
落書き
自己紹介:
不良のような狐のスケッチブック
風の様に戯れる狼の大学ノート

蒼紫色二又尾の僕の、メモ帳
白い二又尾の黒いメモ帳

騒がしい鶏の学習帳

この場にあるのは手書きを綴る物
ぼくは、『君』
『君』は、ぼく。
妄言・妄想、それも全部
僕の『君』の『私』『俺たち』の想い

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