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それはTWを渡り歩く絵を通した記録…自由を愛するモノの住処なのかもしれない。
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風の奔流
―…しと、しと



多分、僕はそんな湿った音を聞くのに

随分と、慣れてしまったんだ

作業をする自分の部屋が
実は少し肌寒くて

紅の羽織を手に
立ち上がろうとすれば
「…こーやぁ?」
瞬間的に肩に飛び付いて
後ろ足を投げ出したままの姿勢で
この猫は自己主張する

『立ち上がるな、座っていろ』と


ノロノロと座り直せば
足の間に割り込んできて
特等席と言わんばかりに
白猫は無言で居座る

確かに
最近は雨しか見ていない
星霊技術で描かれた空は
いつも、厚い厚い雲ばかり

僕の好きな青い蒼空は
……暫く見ていない
『(かぷっ)』
どんな表情で
僕はこーやを見ていたのだろう

こーやはいつもよりも
厳しめな表情で
僕の手を咬んでいた
啼く事もなく
いつも見守る事しかしない猫が…

「…もしかして、いや、そんな事は……」


僕が溜めてきた相当な想いを
肩から下ろしても良いんだって
促しているのかも知れない

『…にゃ!』
咬んでいた手を放し
ゆらりと、尾を揺らして
こーやは答えた

「…やっぱり、君には敵わないや」
瑠璃色の
作りかけの縫いぐるみを
放置して

頭をわしゃわしゃと
撫でてやる
こーやは目を細めていた

片手を伸ばして
僕の手を
阻止しようとするのも
構わず撫でる


立ち上がろうとした先を見ると
そこには天井から降り注いだ
水を集めた桶があった
水面張力が働くほど
それは張りつめた状態で


「……なぁーんだ、『水が零れる』って注意しようとしてたんだね」









そして、
―…しと、しと…
雨が降り続く―……
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プロフィール

HN:
ソウジ・ブレィブス
性別:
男性
職業:
裁縫
趣味:
落書き
自己紹介:
不良のような狐のスケッチブック
風の様に戯れる狼の大学ノート

蒼紫色二又尾の僕の、メモ帳
白い二又尾の黒いメモ帳

騒がしい鶏の学習帳

この場にあるのは手書きを綴る物
ぼくは、『君』
『君』は、ぼく。
妄言・妄想、それも全部
僕の『君』の『私』『俺たち』の想い

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