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それはTWを渡り歩く絵を通した記録…自由を愛するモノの住処なのかもしれない。
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白きを舞う姉の狐
(白い二尾に寄りかかり眠たげにコチラを見ている女が居る)

私?…私は、ジュウラ・ガイロストールっていうの
一応、その辺りで日記を書きまくってる二尾の男の子の姉なの
…似ても似つかない感じ、かも、知れないけれど
見る人によっては、似すぎている姉弟かも知れないわね


別に、それは別にいいの
……私、基本的には寝ているから
本当に気が向いたときしか、此処に何かを書き込む事がないと思うのだけど
…それでも、私を見ているのだったら…
そうね、あなたも変わり者だと、思うわ

……此処まで来たのも、何かの縁
私の昔話のひとつでも、教えてあげましょうか
誰かの昔話と、ちょっと、になっている…そんな話、なのだけど


これを、嘘か真か…信じるのは、あなた次第、だけれどね

あれは、遠い日のぼやけた…
…うぅん、色褪せた記憶
 
 
 
 
アクスヘイム、最下層…
微かなドロースピカが描かれている…影という影が、安らぎの場
昼という、概念すら感じさせない薄暗いその路地裏が
つけしっぽとつけみみを伝統的に受け継いできた
私が産まれた民族の住処だった
 
治安は…お世辞にも良いとはいえない
崩れかけた石畳に、隙間風の多い壁…
消えかけたドローシルフが、その住処全体へ唯一の換気といえる生きる術を齎すものだった
 
しかし、ドローアクアの描かれた古い井戸は、ちらほらと点在していたため
風と水とで困る事は…まずなかったように思う
 
 
他の場所に住む人たちから見れば、尾や耳を習慣とする民族は大層不思議にみえた事だろう
今で言えるトライブ…代々エンドブレイカーとして鍛錬していた人は
私的な主観で言えば、まず、そんな人は居なかった
のほほんとして、基本的にぼんやりしているようなマイペースな人が多かったから
生きるために盗みをする、奪う、闘う…それすらも頭にないような
………一言で言えば、平和ボケしている民族
 
 
私の家、ブレィブス&ガイロストール家は…
やはり、その中でも典型的な方だった
一尾のつけしっぽではなく、二又の尾だったのはどこを見ても私の家だけだった気がするけれど…
幾つも違わない弟が、ふわふわしたイメージなのは
代々受け継いできたであろう、民族的血筋が原因なのだと…
私が幼いときにもぼんやりと、理解していた
 
 
 
8歳のある日、私に狩りの稽古をつけてやると父親ジャウ・ガイロストールは
寝ぼけた私の手を引いて、野良猫ですら寄りたがらないような…
強いて言えば、大鼠が住んでいてもおかしくないような場所へ向かおうとした
 
「ねぇ、おねーしゃん!きょーはどこいくのっ?ぼくもつれてってー!」
振り返らなくても、その声の主が誰だったのか予想はつく
「……あぶないところ、だから。ソウジが、爪を振り回せるくらいじゃないと、一緒はダメよ」
自分の背丈ほどある、大きめなぬいぐるみを抱いて弟はこちらを見ていた
ふてくされたように、べしっと足元にぬいぐるみを投げつけて
弟はもと来た部屋へ帰っていく
 
ちらりと見えた、横顔には怒っているという表情はなかった
…むしろ、企み顔だった…そんな気がしたのは一瞬の気の迷いという事にして
翡翠色のナイフをポーチに収めて、眠たい目をこすりながら家を後にした
一連の足止めで、父親は先に場所へ向かってしまったから
目的地の場所をいまいち知らない私は、急いで父親を追う作業を開始した
 
 
 
路地といっても、尾をつける人はポツリポツリと何処へともなく歩いている
曲がり角も、少なくない
右を見て後ろを振り返り…
…左と、無意味な上をキョロキョロと見回す
緋色の目を持った…白尾で白髪の父親が、どうしても見当たらなかった
 
帰り道は、まだギリギリ分かる
ただただ、まっすぐに歩いてきただけだから
どこを見ても歩いているのは大人、大人…子供の振りをした大人
私を知る顔も、私が知る顔も見つけられず
無鉄砲に走る…走る…
 
居ない…どこだろう……
 
 
私は……迷子にでも、なってしまうのだろうか……
 
 
 
必死に走り、そう広くないはずの路地の角を曲がった
何気ないその行動は・ ・ ・ ・ ・ ・…その日を境に私のセカイを変えてしまうものになる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…父さん!」
父親は今の私同様、ナイフの使い手だった
緑青色のナイフを煌かせて、大鼠数十匹と相対していた
「…わるぃなぁ、ジュウラ。でも、俺が選んだ場所でこうも鼠が繁殖してるとは思ってなかったんだ。一昨日ここに来たときは、無害そうな3,4匹程度だったんだが…鼠っていう生き物を甘く見ていたようだな」
威嚇する数十の大鼠、息絶え絶えな数十の鼠どこを見ても鼠しかいない行き止まり
確かに、父親が鼠の駆除を依頼されていたと思えば、何もおかしくない
 
「……私も、手伝『いやいや動くナよォ、そコのお前ェ!』
 
私の言葉を遮って、黒ずくめの幼い子が私の前へ飛び出してきた
紅い▼を刺青として両頬に描いている少年だった
……見覚えのない、顔
 
「要請を受けて助けに来てくれたのか、お前…っつー事は見えているんだろう?」
父親は私よりも小さな少年に、意味のわからない事を問うた
彼はやんちゃな笑顔を、頭の上の尻尾に炎が付いた黒猫バルカンとともに父親を見上げ
『当たり前だぜェ…出なきャ大人ッつー大人に危険視されルような妄想癖なガキが、こんなとこにくルかよォ。ブレイクすべきなのは、あんタが先日見たッつー数匹だけ。丁度、一番手前に居るのがそうじャねェかよォ?』
妙に大人を信頼していない口調、訳の分からない会話
年下にしか思えない身長なのに、対等に会話する少年
 
『戦闘経験豊富だろうアンタに仮面の奴ら数匹を…任せるカら、俺様に餓鬼のお守りと援護は任せておきナァ!』
不意にバルカンが、火炎弾を撒き散らし多数の大鼠が大火傷を負って悲痛な泣き声をあげる
「…あぁ、出来る限り宜しく頼む」
父親は足元に一番近かった大鼠を一の字に切り裂き…切り捨てた
絶命していく大鼠から飛び散る鮮明な赤は私の目を焼いた
焼きついて…離れなかった
その時、鼠の頭上に仮面があるように思えたことは鮮明な赤が覆い隠してしまっていた
 
『おィ、そこの白いねーちゃんよォ…俺様は遠方攻撃に特化出来ても近場は疎イ。俺様の真後ろで、自己防衛のナイフでも握ッて怯えてなァ!!』
炎を纏う刀身を、彼はバルカンの炎弾の攻撃を受けこちらへ攻撃してくる鼠を焼き焦がす
そして、私を庇う様に闘っていた
でも、彼が私に何を言って、私が彼に何という言葉を返したかは何一つ覚えてない
「…ジュウラ!気を抜くな!」
『…ッアブねェ!!』
 
 
2人の声が、言葉が重なって何が聞こえたのかもよく、分からなかった
ただ…その時、薄暗い世界を見ていた視界が
 
揺 れ て   
 
・ ・ ・
 
・ ・ ・…消 え か け た 
 
 
 
 
すぐに何があったのか気づけなかった
ふらつく足を頼りに、真後ろに尻餅つくより先に直ぐ近くの何も居ない壁に寄りかかり
ナイフを持たない白い白い右の素手で右目辺りを押さえた時
生暖かい濡れた感覚が、直ぐに何があったのかを予想させた
手元からだくだくと紅 い 鮮 明 な 色 が 流 れ て い く ・ ・ ・
 
私は、焼かれても尚…敵である私たちをこの場から追い出そうとした大鼠に思い切り
右目付近を深く咬まれ傷つけられたのだ、と
その鼠はもう完全に動く気配を見せない
壊れた玩具のように、闘志を燃やすことなく致命傷を負わせたことにより
安心して死んでいったのだろう
 
『紅錠、全部…そゥ、全てダ。燃やせ、燃やし尽くせェェ!!俺様が人を護れねェなんて事が知られねェようにィィ!!!』
狂ったように、少年が騒ぎ出す
これはまた、暴走した玩具のように傷ついた鼠も息をしていない鼠も
全て、跡形もなく燃やし尽くす悪鬼の姿にも見えた
……そう、おさない少年の姿をした悪魔のようだ、と
「ジュウラ、無事か!?…今、応急処置してやるから動くんじゃないぞ。今はあの少年に任せておけ」
父さんが、緑青色のナイフを向かってくる鼠に投擲し、右の目を隠す眼帯のように包帯を巻いていく
痛みはよく、分からない
しかし、巻かれた包帯がじ わ り じ わ り と白いなら刻一刻と赤に染まっていっているのだろう
 
 
 
 
 
 
  お 前 の 
 
 
          そ の 目 は
 
  
    何 か を
 
 
             怨 む モ ノ 特 有 の ソ レ だ な
 
 
  
 
  力 を
 
 
 
 
 
                  望 む と い う な ら ・ ・ ・
 
 
 
 
 
 あ る 代 償 と 引 き 換 え の 力 を
 
 
 
 
 
 
 
                        得 れ ば い い 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「……ねぇ、父さん。あの大鼠まだ、息が、あるようよ」
仮面の事、戦い方どれをとっても何一つ分かる事はない
 
ただ…今、赤に焼かれ見えているはずのない右目が見たのは
何者かの姿、それが力の具現化であることだけは理解していた
それは狐のような細く朧気な姿でありながら、どこまでも禍々しい気配でしかしないソレは、少なくとも敵ではなかったから…信じる、ではなく私は役立たずではない”力”が欲しかった
 
 
「…赤もいいけれど、こういうので焼かれるのもいいのではないかしら、ね」
攻撃手段を持っていない父親の背後に攻撃の手を伸ばしていた一番大きな姿をした大鼠
それを、恐れる事も考えという考えを纏める事もなく
黒炎が、飛び掛ってきた鼠を燃やし尽くしてしまった
「…悪魔(デモン)と、いつの間に…」
父親が言葉を失い、燃えるだけ燃やし尽くしていた少年の動きが止まるまで、そう長くはかからなかったが
父親からすれば、何よりも驚いたことだろう
 
 
 
 
肉の焼けた死臭が辺りを埋め尽くしている
数十匹の鼠のうち、マスカレイド化して凶暴化していたのは実は両手の指ほどだった
それなのに、私が傷を負ったことで幼い少年が全てを無に帰してしまった…それが臭いの原因
『…アンタに、一つ謝らなイといけねェーよなァ。俺様はよォ、連絡を受けて此処に来た警備のモンじャーねェんだよ。そこでデモニスタに目覚めた奴の終焉(エンディング)を、瞳越しに見ちまッたからさ…別の方にも何か目覚めたんじャねェの?アハハ、ハハ、ハハハッ…!!!!』
少年は、哂っていた
燃やし焦がし、劫火の炎で燃やし尽くした鼠の残骸すら残らない空間で
 
「……いや、いい。俺にも同じものが見えていた。多分、これがジュウラの運命だったのだろう」
何にも染まりそうにない真っ白の髪が、煤けて灰色に見えた
父親の横顔は、どこか寂しげでどこか寂しげだった
「…運命、その言葉の意味は、私には難しすぎる。だけど…」
 
 
なんとなくだけど、理解した
私は今日この日、死ぬような出来事が待っていたのだ
それを父親と黒いあの少年が回避させた
そして、おまけのように何かを打ち破れるほどの”力”を手にしたのだと
 
   そ れ は 代 償
 
        力 と 引 き 換 え の
 
     司 る 力 の 代 償 は
 
                                  『 怠 惰 』
 
 
   『 眠 』 が 力 の 代 償 ・ ・ ・…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、哂うだけの人間となった小さな少年は父親・ジャウによって
城塞騎士の下へ連れて行かれた
 
彼の精神不安定な状態は、一般人にとっても
エンドブレイカーの誰にとっても、大人にとっても危険視されるものだったのだ
黒き少年『ライソウル』と会った、始まりの日である
 
哂う姿が、彼と似つかわしくない紅と黒を彩り
どこまでも、記憶に残ってしまった
彼が私を護りきれなかった時の傷、それは右目の瞼の上を大きく抉り
前髪で隠さなければ、人目につくような一生モノの傷になった
一生消える事のない傷との代償に、禍々しい悪魔(デモン)にも興味を持たれた様子
 
あの幼い日から
いつでも睡眠に襲われるような、日常を送ることが運命付けられた
でも、別に何も不自由はしていない
 
 
 
 
 
 
 
 
も と も と 昼 寝 が す き だ っ た か ら
 
 
 
 
 
 
 
月日が経ち、投獄されあていた筈の彼が再び目の前にあらわるまで
このときの記憶は薄れていた
…それもまた、一興、なのかもしれない。
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プロフィール

HN:
ソウジ・ブレィブス
性別:
男性
職業:
裁縫
趣味:
落書き
自己紹介:
不良のような狐のスケッチブック
風の様に戯れる狼の大学ノート

蒼紫色二又尾の僕の、メモ帳
白い二又尾の黒いメモ帳

騒がしい鶏の学習帳

この場にあるのは手書きを綴る物
ぼくは、『君』
『君』は、ぼく。
妄言・妄想、それも全部
僕の『君』の『私』『俺たち』の想い

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